店長日記
チタン製のキャンプ用品のメリット・デメリットに関するお話
こんにちは、ユーロキッチンかさいの河西零です。
不定期で日記を掲載しております。
さて、今回はチタン製のキャンプ用品に関するお話です。
私はキャンプが大好きで、通算テント宿泊日数は200日をゆうに超えています。
キャンプ・アウトドアがお好きな方は、チタン製のコッヘルやコップ、食器などに
一度は憧れる事があるかと思います。
私もその一人でした。
実際に使ってみた感想を書いてみます。
チタン製の製品は所有感がとてもあるのですが、メリットとデメリットがあり、
以前に日記で書いたフライパンの性能に関する内容と通ずるものがありました。
■ごはん炊き【×】■
チタン鍋での米炊きはやはりNGでした。
チタンは熱伝導率・比熱共に低い為、底面だけ先に焦げ付いてしまいます。
一時期、友人と「いかにチタンの鍋でおいしくご飯を炊くか」という
競争をしていた時期がありましたが、四苦八苦した末、両者とも敗退という結果に終わりました。
今ではあきらめてアルミの鍋を使用しています。
お勧めはしませんが、どうしてもチタンのお鍋でごはんを炊きたい方は、
美味しくは炊けないと思いますが、下記を試してみて下さい。
・焦げ付かないように熱を分散して鍋に伝える為、金網等をコンロに置いてその上で過熱する
(金網が鍋用に販売されているヒートディフューザー【※1】と同じ役割を果たします)
・初めは強火にしないで、弱火~中火でじっくり温めて行く
(はじめから強火だと、下だけ焦げて水は沸騰していない状況になります)
チタン素材のお鍋での米炊きは熱効率も良くないのでお薦めしません。
アルミの鍋であれば火加減等はあまり気を使う必要も無く、
初めから強火でも問題無く炊けますので、
迷わず失敗の少ないアルミ製の鍋に交換する事をお勧めします。
■コップなどの食器類【◎】■
コップ、フォーク、スプーン等、丈夫でとても気に入っています。
チタンの「熱が伝わりにくい」性質(低熱伝導率)と「熱を蓄える量が少ない」(低比熱)
という性質が逆に活かされています。
コップの場合は、熱さも冷たさも伝わりにくい方が飲みやすいですし、
保温・保冷性能の観点でみてもチタン素材は適しています。
反面、アルミのような高熱伝導率・高比熱の素材のコップは、
熱い飲み物を入れて口をつけるとヤケドしてしまいます。
日本では昔から木のお椀がよく使われていますが、
口のやけどを防ぐ事と、保温の観点からも適している素材だと思います。
チタンのコップには魔法瓶のようなダブルウォール(二重壁構造)のものもありますが、
個人的には「コップでお湯を沸かしたり、温めなおしができる」という観点から、
あえてダブルウォールではないカップを愛用しています。
■テント用のペグ【○】■
登山等でのシビアな環境でない限り、ペグの素材は好みで選んで良いかと思います。
チタンは丈夫で軽いのでお勧めですが、価格が高いのが難点です。
アルミのペグも軽いですが、少し力が加わっただけで曲がってしまいます。
スチール製(鋳物)のペグは丈夫ですが、重いです。
個人的にはチタン製でも棒状のものではなく板からプレス成形された平らなものを愛用しています。
理由としては、チタン製でも比較的安価な上、超小型のスコップとしても活用できるからです。
また、平らなペグは持ちやすく力を入れやすい為、ハンマーを使用しなくても
ある程度地面に差し込むことができるというメリットもあります。
最後はキッチン用品から脱線してしまいましたが、キッチンでもその他の分野でも、
素材によって適材適所があることを実感しています。
もしよろしければ下記バナーの「コーティングフライパンを長持ちさせるコツ」の資料に
素材の熱伝導率の例・比較を掲載していますので、ご参考下さい(資料内の下に記載しています)。
【※1】ヒートディフューザー
IH・ガスコンロ両方に使用できるヒートディフューザー「フラボスクIHヒーティングプレート」シリーズです。
通常は小さなエスプレッソメーカーをIHやガスコンロで使用したり、
アルミのお鍋をIHで使用する為のツールですが、
お鍋の下に敷くと均熱性が高くなり、焦げ付きを減らすことができます。
<フラボスクIHヒーティングプレートのサイズバリエーション>
●モカポット(エスプレッソメーカー)用IHヒーティングプレート直径12cm●
●IHヒーティングプレート直径14cm●
●IHヒーティングプレート直径22cm●
また長い文章になってしまいましたが、お読み頂き誠にありがとうございました。
今年も残すところあと数日ですが、
本年も当店をご利用頂き誠にありがとうございました。
来年も引き続き、何卒宜しくお願い致します。
ありがとうございます。
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